積みゲー死亡遊戯

これは、頂上が見えない積みゲーの山に果敢にも登り続ける一人の男の物語である。

【ゲーム】やり直せることは果たして本当に幸せなのか。「Life is Strange」レビュー

前回の更新よりかなり間隔が空いてしまいました。お世話になっております。
おつこ(otsuko61)です。
仁王についてはまた別の機会に色々書けたらと思います。
ゲームレビューも久々の更新となりますが、なんだかんだ色々なゲームをこの間にやっているのでまた続けて行けたらと…


さて、今回ご紹介する「Life is Strange(ライフ イズ ストレンジ)」は既に発売から1年以上経っているタイトルで、実は私も発売日にディスク版を購入しておりました…そうなんです今の今まで未開封で積んでました本当にごめんなさい!!!本作が今月のPlayStation Plus会員のフリープレイ特典になったということもあって、今回やっとプレイしたという…今のうちに言っておきます。Plus会員の人は今すぐダウンロードしておいて下さい。

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 いやもうホントに「なんで今の今までプレイしていなかったんだバカ野郎」と自分をぶん殴りたいですね。多少の不満はあったとはいえ、それ以上に続きの気になるストーリー展開や、細かいところまで行き届いている世界観の作り方、そんなこと選べるわけがないよという悩ましい選択肢などとにかく秀逸。この手のアドベンチャージャンルは普段あまりやらない人で、「BEYOND: Two Souls」や「UNTIL DAWN -惨劇の山荘-」くらいしかプレイしたことがありませんが、このLife is Strangeは一番グッとくるタイトルでした。次項からネタバレを避けつつ、本作の魅力を色々語っていきたいと思います。

 

 

 

タイムリープ能力があるからこそ、頭を抱える

 

アメリカ・オレゴン州にある架空の田舎町「アルカディア・ベイ」が舞台となり、その町にある高校に通う主人公、マックス・コールフィールドある出来事をきっかけに時間を巻き戻す(タイムリープ)能力を発現するところから物語は始まります。

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主人公のマックス。好きな映画はなんと「ファイナルファンタジー

 

タイムリープ能力を手に入れた彼女は、5年ぶりに再会した親友のクロエ・プライスとともに女子生徒レイチェル・アンバーの失踪の謎を追うのですが、次第にこのアルカディア・ベイが隠していた暗い部分に触れることになっていく…というのが本作のあらすじ。
プレイヤーはマックスの能力を使って、彼女が直面する様々な選択をやり直し、最良と思えるものを選んでいきながら物語を進めていきます。

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もう一人の主人公クロエ。マックスもすぐに気づかない位風貌が変わっていた。

 

実はプレイする前は、タイムリープ能力を使って正解の選択を見つけるゲームなのかなと思っていたのですがそうではなく「自分(プレイヤー)の中で最良と思えるもの」を見つけ出すというゲームだったと言うことに気づきました。私も生きている中で思い通りに行かなかったり、失敗したりして「あーあの時こうしていればなー」なんて思うことが多々ありますが、そう言ったもし選び直すことができたら…ということがこのゲームで体験することができます。

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一刻を争う状況なのに先生に指され、答えることができなかったけど…

 

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能力を使えば、既に答えを知っているので選択肢が増え、サラッと答えることができます。

 

しかし、自分の選択が良かれ思ってやったことだとしても、それが後々不幸を呼んだり、取り返しのつかない状態になったりすることもあるので、あらゆる選択に覚悟が求められるんですよね。やり直せるからこそ、失敗はしたくないと慎重になってしまう…選択肢の内容も「いやこっちが絶対正解だろう!」みたいなものではなく、どれを選んでも物語は進んで行きます。マックスもそうですが、プレイしている自分自身が本当にコレで良かったのだろうか…と感情移入してしまって、気分がモヤモヤすることもありました。

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マックスの日記を読むこともできます。プレイヤーにも秘密にしている事を書いているのが面白いですね。

 

ものすごく丁寧に描かれる高校生活の描写

 

超能力や失踪した人を捜索するといった設定はありますが、本作のメインは「アメリカの高校を舞台にした青春劇」にフォーカスをあてたストーリーになっていて、SF要素やレイチェルを探すという探偵モノ要素は青春ドラマを盛り上げるためのサブ要素として置かれています。なので正直最後までプレイすると、その辺りに関しては説明不足感は否めません。コンセプトとしては間違っていないんですけどね。人によってはちょっと気になるかもしれない部分です。

しかしマックスを始めとした、周りを取り巻くキャラクターの描写や校内の世界観の作り方はとても丁寧で、ストーリーにあまり関わってこないようなキャラクターでも印象に残るくらいに細かい設定がなされていて、ちょっと会話するだけで学園モノとしての雰囲気を味わうことができます。もちろんタイムリープ能力を使うことでちょっとした会話の改変も楽しめます。

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また、LISでは学内派閥、スクールカーストやいじめ、ドラッグ、自殺問題などリアルな学校問題も数多く盛り込まれており、かなりセンシティブな部分まで描かれていると感じました。ゲームというよりは海外ドラマを見ているようでした。ゲームの見た目とは裏腹に気分が重くなるようなところも多いです。

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友人達からメールが来ることも。こういった細かいところが世界観をより引き立てます。

 

イムリーなネタなのであえて比較してみようと思うのですが、先日見た映画スパイダーマン ホームカミング」も海外の学園モノ作品の面としても素晴らしく、ピーターを取り巻く生徒たちの描写がリアルで良かったなと感じました。普段人があまり気にしないようなちょっとした部分でも、丁寧に描くことで作品に深みが出るのかなと感じました。


マックスとクロエのガールズストーリーが尊い

 

いやもう本当に尊い(笑)
マックスとクロエは小さい時から常に一緒にいた親友同士の間柄なのですが、5年ぶりの再会となるとどうしても最初はギクシャクしてしまいます。マックスはその5年の間一度もクロエに連絡をしなかったみたいですし…LISでは、エピソードを追う毎に2人の関係がまた修復していくというところもストーリーのポイントになっていると思いました。
エピソード1の時はクロエに大して良い印象を持たなかったのですが、ストーリーが進むに連れてクロエの中に何があったのか、なぜレイチェルを必死に捜索するのか等様々なものが明らかになっていくとどんどん愛おしい存在になってくるんですよね(笑)
あんなにレイチェルにゾッコンな雰囲気だったのに、マックスが別の女の子との電話に出ようとするとキレる。かわいいかよ!

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マックスもマックスで、クロエに寂しい思いをさせたことについて責任を感じているのか「一緒にいるから!」なんて言っちゃうので満更でもないんでしょうね。エピソードが進むに連れて重くなっていきます。クロエに影響され始めるのか、はっちゃけて行きます。そしてあるシーンを見て確信しました。これは最強の百合ゲーだと。噂には聞いていましたけど、ココまでのものかと。日本だけじゃなく海外でも揶揄されているようなのでハッキリ言わせていただきます。百合です。学園モノとしての描写も素晴らしい百合ゲーです。

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だからこそ、最後の選択の重さが際立つのでしょうね。ネタバレになるので詳細は実際にプレイして自分の目で見てほしいのですが、マックスはクロエ以外にも様々な人達と人間関係を気づきあげていくのですが、最後の選択は「本当にコレを選ばなければならないのか…」というような状況に陥ります。けど、最初の方で言っているように正解はないんですね。どちらもマックス(プレイヤー)にとっては正解なんです。

確かにこれはゲームなので「コレが最適解だろ!」というものもあって良いのでは…とクリア後は思いましたが、ゲームのコンセプトとしては今のが最適解なのでしょう。色んな方にプレイしてもらって、あの最後の展開について考察してみたいなと思いました。


これからの「Life is Strange」は…

 

このゲームの「選択の重要性」というのはここまで読んでくれた方には伝わったかなと思います。巻き戻せるからこそ重みが増す。やり直せることが必ずしも幸せとは限らない。プレイしながら色々と考えさせられる作品でした。もし、自分がマックスと同じような能力を使えたらどうするかなぁと考えましたが、この作品を積んだあの日に戻って即プレイするでしょうね(笑)

さてこのLife is Strangeですが、実は既に続編が決まっています。「Life is Strange: Before the Storm」という、タイトルの通り本編の前日譚となる作品になるようです。開発会社は本作とは異なるのですが、クロエとレイチェルを取り巻く人間模様を描くとのことで、能力が使えない状況でどのようにこの作品の持ち味を出すのか…そして日本発売はあるのか…お願いしますスクエニさん…!



更にはコレとは別に同じDONTNOD Entertainmentが手がける続編も制作が決定しているようでこちらも続報に期待したいですね。マックスが続投するのか、はたまた新キャラクターなのか…!



冒頭でもお話しましたが、Life is Strange現在期間限定でPlayStation Plus会員8月のフリープレイ特典になっているので、今すぐダウンロードしてください。お願いします。ホントに。アドベンチャーゲームが好きな方、自分の選択を巻き戻したいなと思ったことがある方、百合好きの人にも自信を持ってオススメします!

それでは今日はこの辺で。