「カメラを止めるな!」はオールタイム・ベスト映画と言っても過言ではないという話
去年の11月頃にTwitterのタイムラインで先行上映の情報を発見してずっと気になっていた「カメラを止めるな!」という作品。パッと見はバリバリ低予算な感じだったんですけれど、予告編を見て「これは…面白いやつだ!」とアンテナにギュンギュン来ていまして。先行上映も見に行きたかったのですが期間的な問題で行けず。
そして今年の6月に正式公開が始まったのですが、何なんですかこの大ヒットっぷりは。公開直後は都内の2館でしかやっていなかったのに、いつの間にか全国180館を超える映画館で拡大上映。こんなの映画界シンデレラストーリーじゃないですか。「うわあ、なんだか凄いことになっちゃったぞ」と思っていたのだけど、先日やっと見に行くことができました。あまりにも前評判が良すぎたためハードルをスカイツリーくらいまで上げていたけど、それを余裕で飛び越えていって…
映画の感想をつらつらと書いても良いのですが、この映画だけは「とにかく!とにかく何も考えず近場の映画館に行ってくれ!」というような作品なんですね。世の中にはネタバレ厳禁な映画はたくさんありますが、この映画に関しては隠さないといけないことが多すぎます。もしかしたら予告編すら見ずに映画館に特攻するのが大正解なのかもしれない。とはいえ予告編からも「まさかこんな映画だったとは!」と裏切られる人大多数だったんじゃないかなぁと思いますが。私もその一人でしたし。
次項からは極力ネタバレを抑え、核心にも触れずに書きましたが未見の人はもうここで閉じてください(笑)
映画を見てからお会いしましょう。
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この映画のメインは「37分のワンカット撮影」で行われているというところなのですが、なにか違和感があるんですね。なんだろう?低予算なのは分かっているけど、ソレにしたって面白いのかなこれ…同じようなジャンルだったらまだRECの方が面白いんじゃないのか?というモヤッとした感覚に陥るわけですよ。しかしその違和感が全て伏線になっていたと分かった時の衝撃たるや。パズルの様にどんどんとパチパチハマっていくカタルシスは私が見てきた映画では得られなかったものでした。また伏線の回収の仕方も絶妙で「あれ、でも記憶しているのと違うぞ?」という部分が出てくる。でもそれらがもう罠なんです。そう思った時点で監督の術中にハマっている。そしてそれがわかった瞬間に「あーーーーー!」と半月板砕く勢いで膝を打つ。
この映画でやっていたことって別に他の人が思いつかないような奇抜なネタではないんですよ。やろうと思えば誰だってできるかもしれない。でもやろうとしないんでしょうね。だってこれ絶対普通に撮影する以上に労力を費やすから。それをやってのけた上田監督は才能がビッグバンを起こしている。
私もいろんな映画を見てきました。大体は莫大な制作費をかけたAAAタイトルだったんだけれど、あれらって良い作品っていうのがある程度分かりきってるじゃないですか。「カメラを止めるな!」は完全に相反する作品となっているワケですが、それであんな作品になっているんですよ。凄すぎるでしょ。作品の規模が違うのに「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」とネタバレの扱い方が同列なんですよ!ホントに!凄すぎるでしょ!?
映画史に残る傑作です。今年のベスト映画はこれで決まりですし、私の中ではオールタイム・ベストな映画となりました。気になっているけど近場でやってない…いやもう無理をしてでも観に行ってください。口コミだけで話題になった理由が「カメラを止めるな!」の中にあります。
今日はこの辺で。
また次回!